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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 [★ カンゲキ日記]

◎2012年3月28日(水)映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」/大阪ステーションシティシネマ/(監督)フィリダ・ロイド(出演)メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント、ほか/♪♪♪

メリル・ストリ-プが、鉄の女・サッチャー女史を熱演。

サッチャーさんが英国首相だったことは知っている。私が子どもの頃、父が「鉄の女」「サッチャー女史」と呼んでいたのも記憶しているが、何を行った人なのかは映画を見るまでほとんど知らなかった。彼女の功績については評価が分かれるようだが、様々な荒波を乗り越え、11年間に渡ってリーダーシップを発揮し続けてきた「鉄の女」の強さには、メリル・ストリープの熱演も相まって感動を覚えた。

ただ、映画としては、やや盛り上がりに欠けた感がある。タイトルを「鉄の女の涙」としたからには、サッチャーさんの内面をもう少し掘り下げて欲しかった。寛容でユーモアのある夫との関係については描かれていたけれど…。

若き日のサッチャーさんが、生涯の伴侶となる男性からプロポーズを受けた際、「食器を洗うだけの人生を送るつもりはない(専業主婦にはならない)」と言い切る。その前に食器を洗う母親とのシーンがあり、母と娘(=サッチャーさん)の間には何かしら確執があったように匂わせていたのに、その辺りが全く描かれておらず、残念。

大臣時代(首相時代?)のサッチャーさんが車で仕事に出かける際、幼い双子の子ども(男の子と女の子)が泣きながら後を追うが、サッチャーさんは毅然と前を向き、決して振り返らない。その一方で、双子を産んだ記念に夫から贈られた「二連のパールのネックレス」は、ずっと大切に身に着けている。老いて認知症の症状が見え始めた今も、「かわいい双子の赤ちゃん」と呼んで大切にしている。この辺りの心理をもう少し掘り下げてくれれば、いくら鉄の女と呼ばれようとも、涙を流した日が少なからずあっただろうことがわかり、心情的に訴えてくるものがあっただろうに。

認知症のサッチャーさんをときどき手伝いに来る娘との関係についても、少しもの足りなかった。

それでも、メリル・ストリープの熱演は一見の価値あり。

 

鑑賞後、灯りのついた劇場内で、年輩の男性が大きな独り言をつぶやいた。「ニッポンの首相はアカンなぁ~」。

永田町のみなさん、ぜひご鑑賞を。

 


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