力道山 [★ カンゲキ日記]
◎2008年2月10日(日)映画「力道山」(2005韓・日)/DVD/(監督)ソン・ヘソン(出演)ソル・ギョング、中谷美紀、藤竜也、萩原聖人、船木誠勝、秋山準、武藤敬司、橋本真也、マギー、岡本麗、鈴木砂羽、山本太郎、他/♪♪♪
1944年、第二次大戦下の東京。貧困の祖国を離れ、いい暮らしを夢見て、相撲取りになるため、単身日本に渡ってきたキム(ソル・ギョング)。だがそこには、朝鮮人ということで、先輩力士からの厳しいしごきや嫌がらせに耐え忍ぶ辛い日々が待っていた。
ある日、買い出しに出かけた町に空襲警報が鳴る。逃げ惑う人々の中に、三味線を抱えて立ちすくむ女性(中谷美紀)の姿を見つけたキムは、思わず彼女の手を取り、防空壕へ逃げ込んだ。
その女性・綾は、兄弟子のタニマチ・菅野(藤竜也)の世話で座敷に上がる芸者だった。身寄りのない東京で孤独を抱えた二人は互いに惹かれあい、次第に深い愛情で結ばれていく。
やがて、兄弟子の“かわいがり”にただただ耐える日々に嫌気が差したキムは、知恵と力で兄弟子を打ち負かし、菅野という後ろ楯を得ることに成功。菅野に“力道山”という四股名をもらう。
さらに、綾という心の支えを得た力道山は、関脇になり勝ち続ける。順調に綱取りを目指す力道山だったが、相撲協会は彼の大関昇進にすら難色を示す。そこに目に見えない民族の壁を感じ取った力道山は、自ら髷を切って力士を辞めてしまうのだった。
ほどなく、プロレスという格闘技の存在を知った力道山は、国籍や人種の壁がなく、自分の実力を試せるプロレスの世界に飛び込むことを決意。
アメリカでの修行を終えて帰国した力道山は、日本でプロレス団体を立ち上げ、次々と興行を打っていく。
その試合の模様は街頭テレビで映し出され、敗戦からの復興を目指す日本の人々は、力道山が必殺技「空手チョップ」でアメリカ人を倒す姿に熱狂した。
ついにスターの座を上り詰め、富も名声も手に入れた力道山だったが、果たしてその胸中は……。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: DVD
日本の英雄・力道山の苦悩と孤独な闘いを描いた作品。
主演のソル・ギョングが、力道山を熱演。
中谷美紀、藤竜也、萩原聖人も、それぞれの役を好演している。
力道山について知っているのは、力士からレスラーに転向して有名になったことぐらいで、実はこの作品を見るまで、彼の顔すら知らなかった。
役作りのために体重を増やしたソル・ギョングは、力士あるいはレスラーにしか見えない。そのため、「力道山」と聞けば、本人ではなくソル・ギョングの顔が浮かぶほど、刷り込まれてしまった。
どこまでが事実で、どの部分が創作かはわからないが、「たった一度の人生、善人ぶるな」を信条に、自らの運命を切り拓いていく力道山の姿には、共感こそできないものの、ひきつけられるものがある。
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